2014年10月20日月曜日

ドッグヴィル


 ダンサー・イン・ザ・ダークに続くラース・フォン・トリアー監督の胸糞映画。

 田舎の閉鎖社会の人間の底に潜む邪悪性を、まさかの舞台演劇で表現。屋内の倉庫のような空間の区分けでアメリカの山村が表現されているが、登場する俳優全員の演技力が高いので違和感無く引き込まれる。聡明で美貌の来訪者はニコール・キッドマン。狂言回しである無能な作家志望の若者の存在がリアルでいい。どこの国の地方都市にもいそう。

 哲学的な含みがありそうだが、ここでは特に言及しない。人の善性は状況に依存するものであり、絶対悪や絶対善を想定せずにはいられない未熟さを突きつける作品なのではないかと思う。

 万人の心の奥底に潜む悪に対する免疫をつけるためにも、若いうちに観ておきたい。
   

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ