2015年3月2日月曜日

そして誰もいなくなった

 
 おそらく古今東西で最も有名なミステリー作品であり、アガサ・クリスティーの代表作となる1939年の作品。地中海の孤島に集められた10人が次々と殺されていき、最後には誰もいなくなるという話。

 読んだ印象はこれまたかなり「金田一っぽい」。名探偵こそいないものの、マザーグースの兵隊の唄へ見立てた連続殺人や時々刻々と変化しあぶり出される人間模様など、(祖父&孫両方の)金田一でお馴染みの「あの空気」が作中に漂う。『悪魔の手毬唄』のDVD特典のインタビューによると金田一耕助シリーズの原作者の横溝正史が影響を受けていると広言しており、ミステリー作品のお約束や様式美は国や時代を超えて脈々と受け継がれているのが分かる。そして、その大本の原典となったのがアガサ・クリスティーの作品だったのだとこの本を読めば確信できる。

 今読んでも抜群に面白く、過不足無くすぐに読み切れる適切な分量。ハヤカワ文庫の解説で赤川次郎がべた褒めするのも納得の、洗練された歴史的傑作なのである。 
   

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