2015年6月23日火曜日

映画 立川談志


 2011年の立川談志の没後に制作されたドキュメンタリー映画。主に談志へのインタビューと講演の記録からなり、語り手と共に落語家・立川談志の哲学と真髄に迫る。演目は客と隠居の不条理な問答からなる『やかん』と夫婦の絆を描く人情噺の『芝浜』を所収。

 何より立川談志にしか出せない空気が味わえる。肩肘張らず、自由闊達。軽くしなやかな語り口。遊び心と知性があり、伝統への畏敬と理解があり、権威に怯まない気骨と、時代を切り拓かんとする創造性がある。様々な魅力が渾然一体となって決して大きくない体に宿り、立ち居振る舞いから魅力が溢れ出る。

 晩年の談志がしばしば強調した”イリュージョン”という概念は不条理やナンセンスギャグに近いか。小説なら村上春樹やジョン・アーヴィング、音楽ならradioheadやbeatlesやスピッツの歌詞。言葉を用いた表現を追求すると、意味をなさない語のつながりが生む、日常や常識を越えた幻想的なイメージの追求に辿り着くのか。そういう頭で演目を観ると、やり過ぎない程度にイリュージョンを混ぜようと 匙加減していた感がある。

 立川談志に興味があって入門編として観てみたが、満足。次はエッセイへ。
   

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