2016年11月24日木曜日

くも漫。


 29歳の元ニートの作者が臨時採用の教員となり、大晦日にはるばる挑んだ札幌ススキノの性風俗店でくも膜下出血を発症して救急搬送され、闘病する話。

 あらすじを読むだけで「oh…」と心の中で悲痛な叫びが上がるほどの切なさ。生き恥の極地であり、もう何と言ってやればいいかわからないくらいの残念さだが、主人公(兼作者)の残念なキモさと共に、周囲の人々と織りなす何ともいえない温かみがある。

 同じ疾患でも妻目線でほっこり温かい『日々コウジ中』の対極にある…と見せて同一線上にあるというか、違った切り口で当時者の人生の真実が見える。教科書や実習だけでは学べないTIPSが沢山詰まっているので、医療関係者はいっぺん読んでおいた方がいいと思う。適切な医学的知識(主治医の解説付き)の記載があるのがニクい。

 個人的には「死んでしまいたいときには下を見ろ俺がいる。」というAV監督村西とおるの至言を思い出した。荒ぶる人生の海へと船出する若者達に是非とも勧めたい1冊である。

 これが人生だ。馬鹿野郎。
   

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